はじめての冬の北海道旅の方にもおすすめ。札幌の冬の見どころ&イベント8選
2020.09.15
写真で巡る「札沼線」廃線区間の駅ツアー。ありがとう札沼線。
先日惜しまれながらも一部廃線となってしまった札沼線。
廃線は決まってはいましたが、新型コロナウイルスの影響でラストランの日程も前倒しになり、緊急事態宣言により足を運ぶことが出来なかった方も多いのではないでしょうか。
現在では、立ち入り禁止用の柵設置や駅名標・駅名板の撤去、駅の閉鎖などの作業が進められています。
そんな惜しまれながらも一部廃線となってしまった札沼線の駅を見に行きたかったけど行けなかった人のために新十津川駅から北海道医療大学駅までの区間の駅を順に写真でご紹介します。少しでも現地に行った気分になってもらえたらと思います!
そもそも札沼線とは?
JR札沼線とは札幌と空知地方の新十津川駅を結ぶ78.1kmの路線。(厳密に言うと桑園駅から新十津川駅の間の76.5km)
札幌から北海道医療大学駅までの区間は1日60往復近い電車が走っています。 学園都市線の愛称で親しまれ、多くの人の通学や通勤で利用されています。
しかし、この北海道医療大学駅より先の区間は一両のディーゼルカーが1日にたった数往復するだけ。
さらに先へ進み浦臼駅から終点の新十津川駅まではなんと1日1往復。日本一運行本数の少ない区間です。
1日1往復のため新十津川からの折り返しの最終列車はなんと10時ちょうど出発。
「日本一早い最終列車」として知られています!
これは一杯飲んでから終電で帰ろうなんてことは言ってられません!むしろ少しでも寝坊したら終電に乗り遅れるんです。まだ太陽が昇り切る前に終電がなくなってしまうという珍しい路線。
そんな地域の方に愛された札沼線も北海道医療大学駅から新十津川駅の区間が廃線となってしまいました。
新十津川(しんとつかわ)駅
札沼線の終着駅の新十津川駅。先ほども紹介しましたが、日本一最終列車の早い駅として有名です。 こちらの駅では2011年から駅に隣接する空知中央病院に併設されている保育所の園児たちが送迎してくれていたんです。朝から可愛い子供たちが出迎えて見送ってくれるなんて!その光景を思い浮かべるだけで心が暖かくなりますね。
今後は線路によって分断されている地域をつなぐ道路を新設して、駅舎の跡地整備などが行われる予定です。
どうしても駅のプラットフォームがまた見たいと言う方に朗報!2021年5月に新庁舎に建て替えられる新十津川町役場の庁舎南側前庭に新十津川駅のプラットフォームが再現される予定みたいです!
完成したら新十津川の駅のプラットフォームの雰囲気を味わいに行ってみてはいかがでしょうか?
そして、新十津川は北海道でも有数のお米の産地です!現地でおいしい炊き立てのお米を食べるのもよし、お土産にお米を買って帰るのもよし、おいしいお米を味わってください!
そしてお米の産地ということでおいしい日本酒も作っています。新十津川の地酒「金滴」をお土産に買って帰るのもおすすめです。
下徳富(しもとっぷ)駅
続きまして下徳富駅。周りを畑に囲まれた遠くまで見渡せるホームがなんともいい味を出しています。この駅は今後解体される予定で、駅周辺を含めた線路地を水田に戻す予定となっているようです。
南下徳富(みなみしもとっぷ)駅
次は南下徳富駅。この駅はかつては駅舎がありましたが、現在は駅舎や待合所はなくホームのみの駅です。 周りには田園風景が広がっていて遠くまで景色を見渡すことが出来ます。今後は下徳富と同じように駅周辺を含めた線路地を水田に戻す予定となっているようです。
於札内(おさつない)駅
次は於札内駅。この駅には駅舎はないものの待合所が設置されています。ちなみにこの駅まで行く未舗装道路の踏切には冬季間通行止めの標識が立っていて除雪も入らないため、12月1日〜3月31日まで通ることが出来ません。
実質冬の間は駅まで行くことが出来ないんです!行くとすると冬期間は1日1往復の電車に乗るために朝雪が積もっていたらその雪をかき分け道なき道をいくしかなかったんですね!
鶴沼(つるぬま)駅
次は鶴沼駅。この駅にも駅舎はないものの待合所が設置されています。鶴沼という駅名の由来は付近にある沼にタンチョウが飛来したことから「鶴沼」という地区の名前になり、それが駅名に採用されたものです。
この鶴沼には北海道を代表するワイナリーの「鶴沼ワイナリー」があり、日本ワインコンクールで数々の賞を受賞しています。
駅の近くには浦臼温泉もあるので鶴沼に行った際には温泉に使って日頃の疲れを癒すのもいいかもしれません!
浦臼(うらうす)駅
次は浦臼駅。今まで見てきた駅は古き良き時代の雰囲気でしたが、この駅舎は一気に駅が新しくなり今っぽい感じに。
中には歯科医院も併設されて1997年に浦臼町営のふれあいステーションと名付けられ、新駅舎として建て替えられました。周りに建物も増えてきて一気に街の中の駅という雰囲気でした!
札的(さってき)駅
次は札的駅。この駅も駅舎はなくホームと待合所のみの駅です。駅から国道275号に出るとすぐある會賓桜しいたけ飯店という中華料理店で駅ノートを管理しているらしいので札的駅の歴史や思い出のエピソードなどを見たい方はランチがてら行ってみるのもいいかもしれないですね。
晩生内(おそきない)駅
次は晩生内駅。映画の舞台になりそうな雰囲気の駅舎と目の前にある松の木ですね。昔は貨物の積み下ろしする線だったため島式ホームでしたが、貨物取扱廃止後に撤去され、単式ホームとなりました。
札比内(さっぴない)駅
次は札比内駅。元々駅舎にある窓口は有人でしたが、2010年より窓口が無人化していました。また、駅前の薬店で乗車券を扱っていたという珍しい駅でもあります。
豊ヶ岡(とよがおか)駅
次は豊ヶ岡駅。開業当初はホームしかない駅でしたが、月形町が広さ10畳ほどのトイレ付きの木造待合所が設置されました。
この木製駅名板はJR北海道がつけたものではなく、恵庭市に住む鉄道愛好家の男性が手作りし設置し、その後23年間使い続けられました。
そしてなんと言っても秘境感たっぷり。駅は国道から1.3km程離れた場所にあり、車一台がやっと通ることのできる脇道を入っていくと林の中にポツンと待合室が見えてきます。
まるで実写版ジブリのような光景が目の前に広がります。札沼線の中で一番秘境感のある駅だと言えるでしょう。
石狩月形(いしかりつきがた)駅
次は石狩月形駅。札沼線の中で唯一列車の行き違いや列車の待ち合わせができる島ホーム式の交換駅です。終日窓口には社員が配置されていたものの、切符の回収は車内で行うため改札業務はしていませんでした。
また、今後は石狩月形駅から札比内駅までの7.2kmの区間を地元の有志によりトロッコとして整備する計画があるらしいので完成した際にはぜひ乗ってみてください。
知来乙(ちらいおつ)駅
次は知来乙駅。木造の待合所とホームだけの駅です。こちらの駅周辺には民家が数件あるのみで農村地帯となっています。扉の塗装がなぜか半分だけしっかりと塗り直されていて、もう半分はペンキが足りなくなってしまったのか昔のまま。でもこれがまた歴史を語っているようでいい味を出していますね。
月ヶ岡駅(つきがおか)駅
次は月ヶ岡駅。ログハウスの待合所が特徴的です。この駅舎は1993年に旧駅舎が焼失してしまったため、待合所として新たに建設されました。近くにはたくさんの野鳥が住み、春には白鳥が飛来する月ヶ湖自然公園があるので北海道の大自然を満喫できます。
中小屋(なかごや)駅
次は中小屋駅。かつては木造駅舎があったが、緩急車という車両を改造した駅舎でした。駅前の広場がかなり広く取られています。
本中小屋(もとなかごや)駅
次は本中小屋駅。こちらも緩急車という車両を改造した駅舎でした。車両の錆具合や構造などがほぼ中小屋駅と同じで駅名に一文字足されただけだったので初めてみた時にはデジャブかと思いました。
石狩金沢(いしかりかなざわ)駅
次は石狩金沢駅。こちらも前二つと同様に緩急車という車両を改造した駅舎でした。駅のある場所の地名は金沢といいますが、北陸本線金沢駅と区別するために頭に石狩がついて石狩金沢となったようです。
北海道医療大学(ほっかいどういりょうだいがく)駅
最後は北海道医療大学駅。今回の札沼線の一部区間の廃線により札沼線の終着駅になりました。以前は駅舎がありましたが、現在は駅舎はなく無人駅になっています。簡易自動発券機や簡易Kitaca改札機が設置されていて通勤や通学で多くの方が利用しています。
駅のすぐ近くには朝から行列のできる「きみかげ」というパン屋さんがあります。民家を改造した造りになっていてハードパンがおすすめのお店です。 北海道医療大学駅に寄った際には一度訪れてみることをお勧めします!
札沼線の廃線となってしまった区間の駅を写真と共に紹介してきました。もうすでに駅名標が撤去され、一部の駅では駅舎に掲げていた駅名板も撤去されました。 この記事で駅の写真を見て今までの札沼線の歩みや過去の思い出などを振り返るきっかけの何かになれば嬉しいです。
また、廃線にはなってしまいましたが、駅の跡地を巡るのもいいですし、札幌から少し車を走らせるだけで美味しいお店や温泉、ワイナリーなどの施設、そして大自然を満喫することができるので世の中が落ち着き気軽に旅行に行けるようになった際には是非この一部廃線となってしまった札沼線周辺に訪れてみてはいかがでしょうか?